懲らしめて差し上げますっ!~じゃじゃ馬王女の下克上日記~
スピーチを終えたラナは、国王を挟んで隣の席に座る兄を見た。

相変わらず腕組みをして目を閉じている彼は、微かに頭を前後に揺らしている。

どうやら、本当に居眠りしているようだ。


(国の行く末を決める大事な話し合いの場で、どうして寝ていられるのかしら……)


「お兄様!」と彼女が大きな声で呼びかけると、やっと王太子は目を開けた。

隠すことなく大あくびをしてしまったのは、議事堂内がやけに静かなため、本日の議会は終了したのだと勘違いしたからであろう。

「あれ……?」と周囲を見回して、貴族たちの注目を浴びていることに気づくと、慌てて咳払いをしてごまかしている。


そんな兄に軽蔑の視線を向けるラナは、ため息をついてから、その不真面目さを非難した。

「まさか、居眠りしていらっしゃったんですか? お兄様ご自身も、大きく関わる問題ですのに」


すると王太子は悪びれることなく、堂々とした態度で嘘をついた。


「妹よ、神聖な議事堂内で冗談を言うものではないぞ。議会中に寝ていられるものか。皆の話を聞きながら、思案していただけである」

「では、わたくしの演説を聞いていらっしゃったのですね。次はお兄様の番ですわ。王位に就いたら何をなさりたいのか、はっきりとお考えを表明してください」
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