こじれた恋のほどき方~肉食系上司の密かなる献身~
「最上さんは誰にでも優しい、なんて思ってないだろうな? お前にだけだぞ」

「も、もう! 朝からなんなんですかっ」

パンプスを履き終わるや否や、ぐっと強引に引き寄せられて腰からお尻のラインを撫でられた。

「こんなに一途な男も滅多といないだろ?」

直球で愛情表現をぶつけられると、恥ずかしくてツンと拒否してしまいたくなるけれど、素直になると決めた私は、お返しに最上さんの唇を掠めるようにキスをした。

「なっ……なんだよ、いきなり」

「ふふ、遅刻しちゃいますよ~」

意表を突かれて最上さんは顔を真っ赤にしながらパクパクしている。そんな彼がおかしくて、してやったりとつい笑ってしまった。
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