月がみていて

<美里>

(トワの過去・・・美里)

―山下の言うとおりかもしれない。

「お前、妹への償いのつもり? 」(山下)

「もう、えぇって! 」(トワ=俺)

無口な山下の言葉は、辛口だ。

俺は怒りを抑えていたが、

「望は、美里の代わりと違う・・・。

単なる同情? それは、望が迷惑するやろう!! 」
「ウザイ!ほっとけや―!」

山下は拳を振り上げると、

俺は頬を突き出し、

わざと殴られた。
…そんな気分だった。

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