月がみていて
5歳のある(夏の日)。

「お母ちゃん、ぼくも行く! 」

バッグを持つ反対側の手を掴んだ。

母は目を泳がせて戸惑っていたのが、

幼い僕にでも、分かるほど・・・。

それでも僕は

すがり付いてはいられなかった。

「ここはキライや。お父ちゃんコワイカラ・・・。」

母は思わず僕を抱きしめると、

「行きましょう! 」

母は決心を固めてくれた―

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