恋を忘れた君に
3


今日は世に言うレディースデ―。
私は何方かというと腹痛が酷い方なので、会社に無理を言い、休暇を頂いた。
そう言う事に関して理解のある会社で良かった。
毎月1、2日休暇を頂くのは申し訳ないとは思うけれど、こればかりは仕方ない事なのだ。
これが来る度、どうして自分は女に生まれたんだろう、と悲しくなる。

ベッドの中で蹲りながらあの日の事を改めて思い返していた。
何だかんだあり、一応連絡先は交換したが、連絡は一切取っていない。
あれから2週間くらいは経つだろうか。
もうよく覚えていない。
ただ、終始不愛想で、投げかけてくれる話題にもろくに応えられていなかった様な気がする。
もう、不愛想なんて言葉では片づけられない。
人としてどうなのだろうかと、我ながら頭を抱えた。
私の事を送る、と引き止めて来た時の表情が脳裏に焼き付いて忘れられない。
あの表情は一体なんだったんだろう。
考える事を止め、はあ、と溜息を吐いたと同時に、一緒に蹲っていたスマホの画面が光る。
薄暗い布団の中では目が痛くなった。
画面に光るのはななせからのメッセージ。

>生理、大丈夫?

>>おながいだい。

そして泣いている様なスタンプを連投。
ななせからは。頭を撫でている様なスタンプがくる。

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