私はあなたのストーカーです


その日の夜、部屋で勉強をしていると悠からメッセージが届いた。


【用事済んだ?】


(別に用事なんてないし)


麻美が悠といたいからついた嘘くらい、見破れ。


これだから鈍感王子は。


結局麻美と悠はうまくいったんだろうか。


どうして放課後行けなくなったかの言い訳を考えていなかった。


ここで下手をうてば余計に麻美を怒らせる。


「あ……」


もう一通メッセージが届いていることに気づいた。


――仁依菜ちゃんからだ。


ひょっとしたら。

また、私と、仲良くしてくれるんじゃ――。


【今日、わたしとバイト先探してたってことにしておいてね】


(……そうだよね)


仁依菜ちゃんは、私でなく麻美についてる。


なに期待してるんだろ。


最悪。


仁依菜ちゃんまで使って、麻美らしい。

そうやって麻美は周りをどんどん巻き込んで自分に都合のいいシナリオを描いていくんだ。


求人情報誌もって仁依菜ちゃんの席に行ったこと見てたから、それでピンときたのだろう。


【うん】


それだけ返すと、悠にも【終わったよ】と送る。


すぐに既読がつき、
一分もしないうちに悠から返事が来た。


【家?】

【うん】

【そっち行っていいか?】


(悠、まさか、怒ってる……?)


【いいよ】


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