私はあなたのストーカーです


「碓氷悠は。将来有望ですよ」
「仲間につける気?」
「いいえ」
「んー。じゃあやっぱり落とすんだよね?」
「タイミングは重要です」
「そうだね。なるべく大きなダメージ与えて使い物にならないようにしておかなきゃ、カレはどんな手を使ってもヒナコちゃん取り返しに来るようなやつだから」


だったら、苦労して就職して、社会的地位とか名誉とか、色んなものを手に入れて。

ヒナコちゃんをいざ迎え入れられる大人になったときに、ズドンとするのがいいかな。


「ほとぼりがさめたら。顔でも変えて、ヒナコと離れた場所でゆっくり暮らすのもいいですよね。ハンモックに揺られながら一緒に眠ったり。ヒナコの焼いたパンを一緒に食べたり」


あー、センセイが妄想にふけてる。


「海外とか?」
「ふふ。それも、いいですね」
「寂しくなるなあ」


ずるいな。センセイとのそんな未来。


「遊びに来ますか」
「……え?」
「友達がいた方が。ヒナコも退屈しないかもしれませんしねえ」
「いいの? センセイ」
「ええ。だって君は。ヒナコとは。随分と仲良くなったみたいですから」
「あ……」
「いいんですよ。怒っていません。手を繋ごうが、ホテルに誘おうが。すべては君なりの演出だったのでしょう?」

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