誰にも言えない秘密の恋愛
秘密の恋-Episode:ONE-【雅編】

秘密の恋-Episode:ONE-【別れと出逢い】

「う~ん。今日も良いお天気になりそう。」
バルコニーで、洗濯物を干し終えて眩しそうに
空を見上げているのはシングルマザーの『(ミヤビ)』|。
「おっと…いっけない。結|、起こさなきゃ!結~!朝だよ。頑張って起きて。」
「うーん…まだ、眠いよ~。もう少しだけ~。」

小さな手で眠そうに 目を擦ってまたお布団に、パッタンしてしまったのは 雅の1人娘『結』(ユイ)5歳。
雅が、結を妊娠したのは、25歳の頃。
当時、付き合っていた彼『大空|《タク》』との間に授かった子供けど…
雅が結を妊娠したことを知った大空は
「はぁ?!嘘だろ…妊娠した?!俺ヤルとき必ずちゃんと付けてんやん?なんで妊娠すんの?ありえないだろ。」
『ありえないのは、あんたの言動|《コトバ》だよ!』
雅は 思っていたけど あえて言葉には、出さないでいた。
話し合うことは 無理だと 判断した雅は、大空に贈った言葉・・・。
それは…。

大空(タク)?話があるんだけど?良いかな?」
「ええけど…電話でせなあかん話なん?」
「だって、大空忙しいから 来るのは 無理でしょ?」
「まぁ…すぐに駆け付けてあげられる距離に 住んでへんし 俺も仕事してるからね~」
でしょうね?
『会いたい』と言ったところで、すぐに会いに来てくれたこともないけどね。

「んで?その話は…長くなる?」
「まぁ 短く話せば 短くなるけど?」
「ほなぁ、短めで。仕事に戻らなあかんから」

仕事してるであろう時間帯に、着信音(コール)鳴らしてきたのは
きみでしょうが…。
ならば…お望み通り、短めに終わらせてあげるよ。

「あのね?大空…別れたいんだ……」
「?…とりあえず 仕事終わったら 折り返し着信(コール)掛けなおすから…待ってて」
雅と別れたくない大空は、この後仕事を終わらせてから
着信(コール)を鳴らしてきた。
全てを打ち明けたた雅の話を、冷静余所って話していた大空は
雅を必死に引き留めようと 必死にだったけど
決意を決めていた雅の想いは、大空の言葉に揺らぐことはなかった。
この瞬間だけはじめて大空に、焦りが見えていた。

「雅…他に誰か 好きなひとでもできたんかぁ?」
どぉしてそぉなる?大空との赤ちゃんお腹にいるんだよ・・・。

「いんや? そんな人 いない」
「なら、どーして?」
コイツ…アホなのか?

赤ちゃん妊娠したことを 打ち明けたのに…
拒否っといて良く言うよ…
雅は、大空の赤ちゃんを授かった事は大空には話をしていたのだが…
もう反対され「当然おろすしてくれるよな?」と
最低な言葉を 聴かされていたのだ。

「別れたいんだよ…大空と」



すっきりとした 別れ方ではなかったけど 大空と別れその後
雅はひとりで結を 産む事を決意したけど…
雅の家族も結を 産むことには、もう反対だった。
「あなたひとりで 育てていけるわけないでしょ?」
と母には 心配されてしまい姉からは
「なに考えてんの?あんた。赤ちゃんを授かるってんのは、神様から人間の命を預かることなんだよ?あんた…親不孝者だよ…」と罵られてしまった。
それでも
『産んであげたい。小さな生命が、悪いわけぢゃないんだから…』と。
お腹の中で、懸命に生きようとしている小さな生命を
自らの過ちみたいに思うのも嫌だったし
無意味におろすこともしたくなかったのだった。

悩んで悩んで、悩み抜いて雅は、結を産むことを決めたのだ。
ママになった雅は、ひとりで結を育てるため産後の体調を診ながら
午前中は、スーパーでアルバイトを.。
午後からは副業のポスティングライターとして働き
夜は イラストレーターとして自宅オフィスで仕事をいていた。

結が通っている保育園は、朝は7時から夕方は20時まで
預けられる少しだけ特殊な保育園なのだった。

雅の本職と言っても 過言ではない イラストレーターの
お仕事は、夜中心。
結との時間を、大切にしている雅は
外で働くのはスーパーのアルバイトを3時間程度。
午後からの副業である ポスティングライターのお仕事は、2時間程度。

夜は、結を寝かし付けたあと深夜くらいまで雅の本職は「イラストレーター」の仕事をしていた。これが、大空の赤ちゃん|《ユイ》が、産まれてから5年くらいの
雅の日常生活になっていた・・・・。

月日は流れ現在の雅は…30歳になっているため、このきついハードスケジュールには追い付けなくなっていた。
『これも結のため!ふたり生きていくためだ』と気を張り過ぎ頑張り過ぎていた雅には、苦痛に感じていたのだ。

そんな時…5歳になっている娘 結|《ユイ》が保育園に登園することが決まったの。
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