フルール・マリエ


煮込みハンバーグに彩りを添えて、ダイニングテーブルの前に座った千紘の前に出すと子供のように目を輝かせていた。

「聖の手料理が食べられるなんて嬉しいなぁ」

「ハードルはできるだけ下げてね?得意とかではないから」

「食べるのもったいないな」

「いや、食べてみてよ」

千紘はナイフとフォークを手にしてハンバーグを綺麗に切り分けると口に運び、美味しい、と喜んだ。

「毎日食べたい」

「大げさだよ」

「本気なのに」

少し不貞腐れながら、またハンバーグを口にして、美味しい、と言ってくれる。



ハンバーグを食べ終わった後に洗い物をしていると、千紘はソファの方から私をずっと見つめてくる。

「何でこっち見るの?」

「んー?見たいから」

何だそれ。

すごいやりづらいが、目の前の食器に集中しているふりをして千紘の視線が入らないようにした。



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