君と描く花言葉。












「えーと…?こっち?」



結局全然行く気が起きなくて、随分とゆっくりした結果、午後3時過ぎ。



のろのろと家を出てきた私は、電車に揺られてたどり着いた駅で、さっそくスマホと格闘している。



えぇと。一番出口から出て、コンビニが右手に見える方を前に進めばいいから…こっちかな。



行き交う人々は、迷うこともなくまっすぐ歩いて行くけれど。


大人は、仕事の関係で知らない土地に行かなきゃいけないこともあるんだよね。


そういう時って、やっぱり迷うのかな?



でも、人の多い駅なんかでもみんなやっぱり迷いなく歩いているように見える。



その中には今日初めてこの街に来たっていう人もいるんだろうか。


いるんだとしたら、すごいなぁ。



将来、車とか運転できるのかなあ、私。


車なんて大きなものを操作しながら地図を読むなんて、できそうにないんだけど。


…私が車に乗る頃には、もっとコンピュータの性能があがってたりしないかな。


ほら、運転しなくても目的地まで勝手に行ってくれるとか。


今のカーナビはだって、アナウンスしてくれるのがちょっと遅い時とかあるんだもん。


『次の交差点、右に曲がります』なんて、丁度交差点に差し掛かった時に言われたって遅いよね。


後部座席から聞いてて思うけど、お父さんもお母さんもよくあれで運転できるよなぁ。


お父さんなんてカーナビほとんど使わずに運転してるイメージだし、世の中のドライバーはみんな頭に超高性能地図でも入ってるの?



それとも、運転してみれば何か変わるんだろうか。


意外とすんなりできるものなのかな。


まったく想像つかないけど。




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