ハイライト


例えるならそう、貴方は黒を上手に纏う白く気高い人。
純粋でいて、無意識に人を追い詰める。黒を隠し白を強めるまさにあなたはハイライト。

わたしのように、おくびもなく平然と“彼女さえいなければ”なんて、本気で人を羨んだり怨んだ事などないのでしょう?
だからこそ、いつまでも、誰にでも優しくて残酷なあなた(そんなところが憎くてたまらなくて愛しくて仕方なかった)を形成する一ピースになり得たのでしょうね。

想いが叶わないのなら、

傷付けて、心に、身体に。
消える事のない傷を付けて。

一度だけの抱擁も口づけも何もかも許されないのなら、消える事のない残虐いて非道で忘れたくても忘れられないような、そんな癒えない傷を。
あなたから貰った最初で最期の贈り物だと、一生涯大切に、痛みを持って生きていくから。
なんて。ただの滑稽(悲劇のヒロインだと、自分に酔わないとそんな台詞なんて言えやしない。)にしか過ぎない光景に、誰もいなくなった部屋でひたすら腹を抱えて笑った。

ぽろりと、落ちた不透明な雫は見ないフリ。

end
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