いつか、星の数よりもっと
一局を振り返って(あとがき)
ここまでお付き合いくださり、ありがとうございました。

この小説は私の憧れと妄想でできておりますので、実在の人物・団体・棋戦などには一切関わりございません。

【棋戦について】
神宮寺リゾート杯のみ架空の棋戦で(special thanks 柴本奏様)、あとは実在の棋戦を使わせていただいております。

【符号・棋譜について】
棋譜は序盤の部分で、いくつか類似している棋譜の中から、個人の特徴が出ない部分を使用しました。
符号についてはほぼ適当に書いたものです。

【相振り飛車について】
第67期王将戦、久保利明王将対豊島将之八段のシリーズを参考にしました。

将棋内容や棋界システムについてはさらっと説明しましたので、説明不足もあるかと思いますが、雰囲気だけ受け取っていただけたら、と思います。


先日中継を聴いておりましたら、解説の阿部光瑠六段(青森県出身)も、地方から奨励会に通う大変さを話しておられました。
阿部六段は才能ある方で、奨励会在籍年数はかなり短く16歳5ヶ月でプロデビューされてます。
これは現行の三段リーグ制度においては4番目にあたる年少記録だそうです(平成30年12月現在)。
が、「あと二期で上がれなければ、年齢制限関係なく退会するつもりだった」とおっしゃっていました。
奨励会に通うお金がなかったそうです。
三段リーグからは、関東の奨励会員も大阪対局があるのですが、仙台から夜行バスに乗って朝早く大阪に着き、ホテルが開く時間まで同じ場所をひたすら歩いて時間を潰したそうです。中学生が!

生まれた環境の違いで人生の選択の幅には違いが生まれます。
将棋に限らず、環境ゆえに夢を諦めた人、苦労されている人、たくさんいらっしゃると思います。
生まれ持ったハンデは自分ではどうにもなりませんが、その後出会う人たちや努力によって、幸せになる道もある、と信じたいです。
できるだけ多くの才能が正しく生かされる世の中になれたらいいですね。

奨励会、アマチュア棋界、そしてこれから将棋を始める方、観る方を含む将棋の世界のますますの発展をお祈り致します。


竜王戦の最終局直前の十二月に
木下瞳子
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