大宮課長は今日もいじわる

まとめると、こうだ。

今朝、このフロアの一部女子社員たちが
同じ理由で休んだ。
その理由は失恋だ。
よく聞くと、皆、
大宮課長に彼女がいたことを知り
課長の前に出るのに気持ちの整理がついていない
とのことらしい。

「あいつらふざけんな!
仕事なめてやがる」
大宮課長は説明し終わると、
立ち上がって、ポケットに手を突っ込んだまま
踊り場をうろうろした。
「とにかく!あいつらは何言っても
来やがらねえ。
つまり、あいつらの仕事を
お前ら残ってる事務部隊で片付けろ。
今はげ谷係長が、
業務を振り分けてくれてっから」

課長は、私の肩にぽんっと、
あ、いや、バンっ!と手を置くと
意地悪い笑みを浮かべてそのまま立ち去った。
「い、いった…」
あの人、力強すぎるな…

って……え?
つまり、皆、この週末に、
課長に彼女がいるって気づいたの?
どうやって?
いや、そんなこと分からない。
とりあえず今は、
突きつけられた、仕事をこなすことに
集中せねば!
あのおバカな女子どもの!
私だってねえ、失恋したけど、
頑張って出社したんだからねー!


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