大宮課長は今日もいじわる

川崎さんが目を丸くした。
あの意地悪課長が、
部下のホームパーティーに来たいだと?!
一体何が目的だ!?
と川崎さんの心の声が聞こえてきそうな表情だ。

「ちなみに何の酒だ?」
大宮課長は今までに見たこともない顔をしていた。
目を輝かせ、新しいゲームを買ってもらった
小学生の男の子のような顔だ。
「さんて…みり…何とかっていうワインと、
コニャックです」
「サン テミリオンか?!
おい、俺を行かせろ」
「嫌ですよ。
週末まで課長に嫌みを言われるのはごめんです」
「ボーナス増やしてやっから」
「課長にそんな権限ないでしょ」
「明日から姫、と呼んで差し上げるぞ」
「気持ち悪いから止めて下さい」
課長はチェッと言って、今度は私の方を睨み付けた。
「な、なんでしょう?」
「お前も何とか言えよ。
昨日話してやっただろ」
何?どういう意味…
あ、大宮課長がお酒が好きだとアピールして欲しいわけね。
そんなこと自分で言えばいいのに!

「川崎さん、課長はお酒が好きなんだそうです。
それに、私も…その…
(休みの日に課長に会いたいな、みたいな…)」
最後の部分は声に出さなかったけれど、
そこは川崎さん。きっちりと私の気持ちを汲み取って
しぶしぶ許可をしたのだった。

「おい、南。お前も使える時があんだな」
「し、失礼ですね!」
課長がいつもの意地の悪い顔で
私を見たので、私は仕事に戻ることにした。

そして…


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