はなかんむり。

謎の王子様

「やっぱりおいしー!」

フルーツタルトってほんと好き!
とくにこの苺!!!
甘くて酸っぱくて……

「とても可愛らしいお顔でお食べになりますね」

「だってぇー。おいしんだもーん」

「ははっ、相変わらずですね」

「……あはは……え?……あっ!?」

やばやば!
この人確か……

「驚かしてすいません、トーポタル王国から参りました。アベルでございます」

「アベル国王様……こちらこそありがとうございます」

「いいえ、こちらこそ……よいしょっと、」

「……ん?……ひゃぁ!?!?」

ちょ、ちょ、ちょちょ!
な、な、な、何してんの!?!?

「あっアベル国王様?!」

「しー。目立ってしまいます」

「でもっ!」

あたしは、アベル国王様に抱きしめられている。
ちょ……///

「やめてください……」

「私は構いませんよ?」

「でもっ……///」

「はぁー。可愛らしいお顔」

「なっ!?みっみないで……///」

近い!近い!近い!!!
どうやらここはカーテンの裏側で人目がないところ。
しかもカーテンは立派で分厚いし、声も聞こえずらい。

どーすーんーのーよー!!!!!

「しかも、この愛らしいお胸……はぁ……」

「なっ!?やっやめっ!!!」

「失礼しますね……」

「ちょっ……やめっ…」

もうダメだ……

「ちょっと、何してんだよ」

「んー?私の邪魔をする人は許せませんね」

「……?」

カーテンから顔をだして
あたしのところにきたのは……だれ?
でも、なんか誰かににてるような……???

「離せっての。そいついやがってるけど?」

「まったく意味がわかりませんね?あぁ、アリゼス様私と一緒に今晩過ごしませんか?」

こいつといたらやばいことになるっての!!
あたしはおもいっきり首を降った。

「ははっ!もー嫌われてんじゃん」

「はぁ……アリゼス様。私はがっかりしましたよ?」

「すいません……あたしアベル国王様とは……」

「わかりました。あーあー、私のところにくれば女王になれたとゆうのに。まったく、分かってらっしゃらない。いいところだったのに変なおじゃまむしまで、」

「……」

「まぁいいでしょう。では、また」

そういってあたしから離れていった。

「……わ……」

「大丈夫です?」

「怖かった……」

怖すぎて力が入らず腰をおろす。
全身の力が一気に抜けるような感覚がする。

「よっぽど、怖かったのですね。アリゼス様の声が微かに聴こえたので……」

「……ありがとうございます……本当にありがとうっ!」

「涙は似合いませんよ?これをお使いになってください」

そういって彼はハンカチをあたしに差し出した。

「ありがとうございます……うっ、ううっ…」

「大丈夫ですよ、僕がいますから、安心してください」

「うっ……あっ……そっ……い、えばっ」

「落ち着いてからで大丈夫ですよ?僕はここで待っていますから」

「あり、がっ……と、うっ……」



「だいぶ落ち着きました?」

「はいっ……ありがとうございます」

「あっ、申し遅れました。僕は隣の国、キラッシュ王国から参りました。第一王子のルイトです」

「キラッシュ??ってことはお兄さんは……ナイト?」

「ナイト?誰のことでしょうか?」

「へ?」

「僕の兄上はカイトだけです」

「え?」

じぁ、ナイトは???
どうして、ナイトは、いないの?

「あ、そっか!ううん、なんでもないよ!ごめんね?」

「はて?なんのことでしょう?」

「ほんとになんでもないの!」

「はっはい……わかりました」

変なこといっちゃった……
もー最悪。

「よろしければですが、僕と一曲どうですか?あなたに一目惚れしてしまいました」

「なあっ!?……///」

「そんなに照れなくても……さぁ、僕のてをとって!」

「助けてくれたからよろしくお願い!」

「では、エスコートさせて頂きます」

「うんっ!」

ルイトくんかぁ、
でも、カイトとナイトは双子なのになんで
ナイトはいないことになってるんだろ?

ナイトってあたしの妄想の王子様なの……かな?






登場人物紹介2

ナイト.アンカイーヴ

隣の国のキラッシュ王国の王子様。
カイトとは双子の兄弟でルイトは弟のはずだが
ルイトは兄はカイトのみという。
年齢は16歳でアリゼスと同じ。
今では正体が不明な王子様。
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