不埒な先生のいびつな溺愛 〜センシティブ・ラヴァーズ〜
彼を引っ張っていってベッドに座らせると、落ち着かせるために髪を撫でた。
憔悴した顔は変わらず、しかし少し拗ねたように唇が歪んでいる。

「久遠くん……落ち着いた?」

「……死にたい……」

そうだよね、久遠くんはこういうの恥ずかしくて耐えられないよね。うんうんと頷きながら髪を撫でていると、やがて彼はしょげた瞳でうつ向いた。

「………なんで俺のことそんなに苛めんだよ美和子……酷いだろこんなの……酷い……」

珍しく、彼は罵倒ではなく呟くような悲しみの言葉を並べたので、私は思わずキュンとした。こう、加虐心を煽られるというか。そう言われてはもっと困らせたくなるものだ。

しかしこれ以上苦しめたくはない。いっぱいいっぱいの可哀想な彼ときちんと向き合ってあげたかった。

私は壁に背をつけて座り直すと、彼の体を自分の上へと引っ張り上げた。
投げ出した二本の脚の上に彼の上半身が乗っかり、頭だけが私の胸のあたりにすっぽりと収まっている。

「み、美和子……」

「おいで、久遠くん。よしよし。大丈夫……大丈夫……」

胸の中にある彼の頭を抱きしめて、髪を優しく撫でた。彼の体は最初は震えていたが、やがて動かなくなった。
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