〈BL〉意地悪ダーリンは年下科学教師②
第一話🌿弟には秘密の話㊙️
私、向瀬心咲。

今年で十八歳になった。

うちはママが“男性”なんだ。

そして、好きな人のママも“男性”。

同性夫婦・両性具有
と言って今は少しずつ
増えて来たらしいけど、
私や私の弟、
私の好きな人や彼の兄弟が生まれた頃は
とても稀だったと両親が教えてくれたのは
高校に入った時だった。

彼の姉で私のことも本当の妹とのように
可愛がってくれている美卯さんは
母親が“男性”ということで
中学時代に鬱になったことがあるらしく
何でも、パパが作った薬を
服用していたとか。

その時は“パパが作った薬”
というのがよくわからなかったけど
ママが丁寧に説明してくれた。

パパや美卯さんは
独自で薬が作れるらしい。

ある意味、
次元が違うというかなんというか……

ママも“文系の僕にはさっぱりだよ”と言ってたなぁ。

私や弟はママに似たらしく
理数系は得意じゃない(苦笑)

パパは”仕方ないです“
と言って苦笑いしていた。

そんなある日の夜中、
光が漏れていた両親の寝室のドアを
そ~と開けてみると、
ママ達は所謂、そういうことを
している最中だった。

私も高三だし、知識がないわけじゃないし、
驚いたものの興味の方が勝って
ドアの隙間から覗くことにした(笑)

『凌杏、焦らさないで……』

ママの甘い声が聞こえた。

『久々ですから、慣らさないと
痛いのは心綺人ですよ?』

パパの諭すような口調。

『いいから、早く頂戴♡♡』

そんなの待てないとばかりに
ママはまた、甘い声を出した。

『わかりました。

ですが、欲しいのなら
どうすればいいかわかってますよね?(ニヤリ)』

パパの口調がさっきの
諭すようなものじゃなく
意地悪なものに変わった。

『僕のエッチなマンコに早く
凌杏の挿(い)れて♡♡』

そして、ママの口から
とんでもない言葉が飛び出した……

『あなた、“アレ”がなくても
おねだりが上手になりましたね(笑)』

『何年、君といると思ってるんだい。

君の言いたいことなんて、普段でも
こういう時でも目を見ればわかるもの、
おねだりも上手になるってものだよ(๑^ ^๑)』

“アレ”?

『ぁぁ~ん!!

挿(い)れてって言ったのは僕だけど
いきなり奥までなんて……

はぁぁ~ん、凌杏の意地悪……』

一瞬、見えたママはとても綺麗だった。

私達、子供には見せない
両親の別の表情(かお)。

スタンドの小さな光しかないのに
パパと目が合った気がした。

*✲゚*。 ♪*✲゚*。 ♪*✲゚**✲゚*。 ♪*✲゚*。

翌日、今日は土曜日だから学校はお休みだ。

弟の凌空は部活の朝練で
一時間前に家を出たけど。

昨夜は結局、最後まで見ていた。

ママが甘い声で啼きながら
パパに何度もイかされるところを。

『心咲、ちょっといいですか?』

朝食後、パパの自室に呼ばれた。

「どうしたの?」

わかってたけど、惚(とぼ)けてみる。

『昨夜、私達の部屋の前にいましたよね?』

最後の疑問符は取って付けたような
意味をなさないものだとパパの口調でわかる。

「ごめんなさい」

やっぱり、目が合ったのは
気のせいじゃなかったみたい。

『いえ、謝らなくてもいいんですよ』

パパは笑っていた。

『あなたも、もう十八歳なのですから
興味を持っても可笑しくありません。

昨日の心綺人はどうでしたか?』

ドアの方をチラッ見てから訊いて来たから
多分、ママがいるんだろう。

「綺麗だった」

スタンドの小さな光の中でパパに抱かれている
ママが見えたけど、とても綺麗だった。

クスクスと笑うとパパはドアへ向かい
徐(おもむろ)に開けた。

『凌杏は気付いてたんだね。

僕は心咲が見ていたなんて
これっぽっちも気付いてなかったよ//////』

案の定、そこには顔を真っ赤にして
俯(うつむ)いているママがいた。

「パパ、よくママが
ドアの外にいるってわかったね」

『ずっと一緒にいますからね、
私が心咲を呼んだのを見て
気になって此処に来ると思ってましたから』

これも、熟年の夫婦だから
できることなんだろうか?

「ママの行動がわかるんだね」

凄いなぁ。

『ぇぇ、心綺人も
私が気付いているとわかっていて
ドアの外にいたんだと思いますよ(笑)』

『ですよね?』
とママの方を向いて訊いた。

『そうだよ(苦笑)』

やっぱり凄い!!

『でも、心咲に見られていたなんて
やっぱり、恥ずかしいなぁ//////』

ママ、可愛い♡*。

「私もママ達みたいな夫婦になれる人を見つけたいなぁ」

何時も仲がよくて、お互いのことを思いやっていて
お互いが考えていることをわかるような夫婦。

『心咲、好きな人が
いるではないですか(クスッ)』

ぇ!? パパ、気付いてたの……?

『八年も片思いしているでしょう?』

しかも、年月まで当てられた……

『心咲に好きな人がいたなんて
僕は全然気付かなかったよ』

ママは吃驚している。

『案外、遠くから見ている方が
気付くものですよ(笑)』
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