隣席 ー君と一瞬と蟠りー

後ろで心波の声が聞こえてくる。
「鉢巻交換、楽しみだな〜」
心波は森のことが本当に好きなんだなぁ、と思いつつ、私は机の上に置いた手の指先を弄る。そろそろ私に限界が訪れた。彼女の恋愛話を聞いて、いろいろなことを知りたい。椅子をガタン、と音を立てて引きふり返り、思い切って、輪の中に乱入することにした。
「誰と交換すんのー?」
心波に好きな人がいるということを、全くもって知らない人、という設定で且つ興味津々に聞いてみた。
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