クリスマスが終わっても
結花の大きな声に何事かと前を向くと、白石さんがひろ君の頭を撫でているところだった。
ひろ君も嫌がるでもなく、触らせている。

なんで? なんで頭なんか触ってるの?
なんで? なんで触らせてるの?

ますます、嫌な気持ちが広がっていく。

結花が私とひろ君達を交互に見て、ハラハラした顔をしているのがわかった。

「・・・お昼休み終わっちゃう。行こう、結花」

これ以上見たくない。ここにいたくない。
そう思った時には、走り出していた。

雨は少しずつ強まる気配を見せている。

まるでそこから逃げ出すように、私は立ち止まっているひろ君達を抜かして、お昼休み終了を告げるチャイムが鳴る会社へと転がりこんだ。
< 14 / 84 >

この作品をシェア

pagetop