クリスマスが終わっても

寛紀side

玄関のドアを開けて、家の中へ入る。
電気のついていない玄関は真っ暗だった。

俺は手にしていたカバンを玄関の下駄箱の上に置き、ネクタイをしめ直した。
普段着ているスーツとは、またちょっと違うスーツ。ネクタイも、カッターも違う。
カバンを下駄箱の上に置いた時、腕につけたままだった時計が下駄箱にぶつかってカチ、と小さく音をたてた。

そんな小さな音ですら、俺の緊張を高める。

笑える程、緊張している。
でも、ちゃんと言おう。
色々考えたけど、一番シンプルな言葉で伝えよう。

がんばれ、俺。
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