この世に生まれてくれてありがとう〜形のない贈り物〜
実の親の顔を覚えたところで、その人たちにはもう会えない。そう心のどこかで思っていたからか、アルバムをめくることも、両親のことも誠は何も聞かないまま生きてきた。
本当は聞きたいという気持ちもある。しかし、怖いという思いもあった。
義理の両親はとても優しくて、時に厳しくまるで本当の親のように接してくれた。その関係が本当の親のことを聞くことで壊れる気がして、誠は何も聞かなかった。両親も何も話さなかった。
義理の両親がこんなにも親切なのは、義理の両親の間に子どもができなかったことが大きいのかもしれない。そんな冷めた思いも抱いていて、こんな最低な自分が嫌だった。
「学校、行かないとな……」
誠は呟き、ベッドから起き上がった。
「よう!お前、今日誕生日なんだって?おめでとう!」
大学に行くと、同じサークル仲間たちが声をかけてくる。誠は「ありがとう」と笑う。やはり、誕生日を祝ってもらうのは嬉しい。きっといくつになっても変わらないだろう。
本当は聞きたいという気持ちもある。しかし、怖いという思いもあった。
義理の両親はとても優しくて、時に厳しくまるで本当の親のように接してくれた。その関係が本当の親のことを聞くことで壊れる気がして、誠は何も聞かなかった。両親も何も話さなかった。
義理の両親がこんなにも親切なのは、義理の両親の間に子どもができなかったことが大きいのかもしれない。そんな冷めた思いも抱いていて、こんな最低な自分が嫌だった。
「学校、行かないとな……」
誠は呟き、ベッドから起き上がった。
「よう!お前、今日誕生日なんだって?おめでとう!」
大学に行くと、同じサークル仲間たちが声をかけてくる。誠は「ありがとう」と笑う。やはり、誕生日を祝ってもらうのは嬉しい。きっといくつになっても変わらないだろう。