私の名前 ~After~
「やっぱり、そうなんだ!
じゃあ、森谷くんも黒羽さんにしか見せない一面ってあるんでしょ?」
「もちろん(笑)
会社のみんなにも知れ渡ったことだし、ここでキスでもしちゃう?」
…は?…
…今、何て言った?
「森谷くんなに言ってるの?
付き合ってもないのに、嫌に決まってるでしょ?」
睨みつけながら強い口調になってしまったのは仕方ない。
嫌な予感がした。
強気で行くしか、自分を守る方法が分からない。
女性の先輩は「きゃ~」なんて言っている。
時間も経ち、周りの人も私たちの様子を静かに見守っている。
誰も助けてくれる気はないようだ。