水月夜

意外な展開


私は、小学生のときからの親友に嫌われた。


明日から私は、いじめのターゲットになっていることだろう。


心の底から親友と思ってなかった直美に『明日からいじめのターゲットにする』と言われて、今までで一番の喪失感を味わった。


これまではヒロエと紀子に直美に近いポジションを奪われても、文句は言わなかった。


ポジションをクラスの誰かに奪われることはあるだろうと思っていたから、距離を感じてもなにも言わなかった。


だけど、今の状況は違う。


私は派手系グループからどんどん転落していくことだろう。


ため息をつきながら、カバンに荷物を入れる。


今の時間は放課後だ。


教室には私以外誰もいない。


私を優しくしてくれる人はいない。


カバンにすべての荷物を入れて肩にかけ、教室を出ようとしたとき。


誰かが突然教室に入ってきて、ぼんやりしていた私とぶつかった。


「ごめんなさい……」


ぶつかった人物が誰かと確認せず、力なく謝る。
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