この身も身体も、あなたのものにしてください。


   ある日、オフィスで仕事をしていた私は、いつも早々に退社するはずの副社長が残業をしているのに驚きを隠せなかった。


   「副社長、いつもは早く退社されるのに、何か急な仕事でも入ったのですか?


    何か私にできることはありますか?」

  「あぁ、櫻井さん。お疲れ様。
  
   実は、とあるVIPの結婚式が決まってね。僕が1人で担当しているだけど、VIPの結婚式は、普段とは勝手が違うし、注文がたくさんあるしで、なかなか大変なんだ。
  櫻井さんには、コーヒー淹れてもらっていいかな?」


  普段はクールでカッコいい副社長が弱音を吐いている姿が珍しく、コーヒー淹れるだけじゃなく、もっと他に副社長にしてあげられることはないのかなって思っている自分に違和感を感じていた。」
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