ニセモノ夫婦~契約結婚ですが旦那様から甘く求められています~
 
「随分嬉しそうだな」

 西留さんが帰ったあと、キッチンで遅めの昼食を作っていた私のもとに颯馬さんがやって来た。

 私が「はい」と笑みをこぼすと、颯馬さんがうしろから私の腰もとに手を回す。

「颯馬さん、危ないですよ」

 私は包丁を置いて、顔だけうしろへ振り返った。

「うん。だからこれでも我慢してる」

 そう告げた颯馬さんは、私の肩に頭を乗せる。

 なんだろう。少し可愛い。

「小春の笑顔を見ていると幸せだ。温かな君を見ていると、心が安らぐ」

「私も颯馬さんの隣にいるだけで幸せです」

「なんだ。張り合うのか?」

「えっ? 別にそんな……わっ!」

 視界がぐらつき、身体が浮き上がった。突然抱き上げられた私は、「颯馬さん!?」と驚きの声を上げる。
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