明日キミに聴かせたい

雨の音が耳にこびりつく日曜日の朝。

いつものように目覚まし時計を横目に時刻を確認しながらトイレへと向かい、用を済ませて部屋に戻る途中、ふと玄関の前で立ち止まった。

父と母だけの靴が並べられた玄関を見つめながら私は裸足のまま一歩踏み出してドアノブに手をかけた。

掛かっていたチェーンを外し、鍵を開けてドアノブを回して開けた時、ドアの隙間から冷たい朝の風が私のまつ毛に触れた。


「さむっ…」


裸足のまま私はもう一歩踏み出して廊下に出ようとした時、真っ暗な地面が湖に変わり、私の足を誰かが掴んで放さなかった。

いや、いやいや、嫌。

どんなに叫んでも叫んでも声は自分の耳でさえも聞こえず、誰にも届かず、どんどん引きずられていった。


助けて。誰か助けてよ！！


♪～♪～～


「ハッ…はぁ…はぁ…」


目が覚めると、冷たい部屋の天上が私の目に止まり、リピート再生されたままのコウの歌声が私の耳に再び入ってきた。


午前６時３９分。

私は悪夢を見て目を覚ました。