黒の殺し屋と白蓮の騎士との甘い異世界恋愛


 「居候だし、料理とかお掃除ぐらいはやらせてください。」
 「………おまえ、鈍いって言われたことないか?」
 「え、ないけど………….。」


 何故そんな事を言うのだろうの、シュリを見つめる。すると、シュリは顔だけではなく、首や耳までどんどん肌が赤くなっていった。
 褐色の肌が赤くなると綺麗だな、と水音は冷静に見てしまっていた。


 「俺と付き合わないかって意味だよ。バカだろ、おまえ。」
 「え………えっ………付き合うって、恋人同士ってこと!?」
 「そうに決まってるだろ。」


 真っ赤な顔のシュリに睨まれてしまうが、全く怖くなくむしろ、可愛いと思ってしまうぐらいだった。

 けれど、何故シュリがそんな事を思ったのかわからない。
 水音はシュリにとって、願いを叶えるための手段として、必要な存在だったのではないか。彼の願いのために、ここに連れてこられ、そして閉じ込められているはずだった。

 それなのに、どうしてそんな事を言うのか。

 恋人同士になれば、逃げないと考えているのかもしれない。そんな事を水音は一瞬だけ思ってしまった。けれども、彼の表情をみると、どうしてもそんな風には見えないのだ。


 どうしたらいいのか、わからない。
 けれども、謎が多い彼をもっと知りたいと思っている自分の気持ちに、水音は気づいていた。
 まだ約1日しか関わっていないのに。水音は、不思議だった。

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