黒の殺し屋と白蓮の騎士との甘い異世界恋愛



 「きゃっ!レイト…………?!」
 「……シュリは、あいつは………。」


 レイトは、水音を地面に押し倒した。
 水音は、視界に空、そして草や土の匂いを感じ、押し倒されたとわかった。
 そして、露になっていた胸元の刻印に、レイトは丁寧に口づけをしたり、舌をつけて舐めたりし始めた。


 「レイトっ!何を………。」
 「シュリはいつも俺の欲しいものを持っている。強さも、白蓮の刻印も、頭の良さも。そして、今度は水音も取られた。俺が貰うはずだったのに……あいては裏切った!刻印の交換も二人でしようと決めたんだ………。でも、まぁいいか。」
 「レイト……。」
 「今から、水音の中に俺を刻み込めば、また刻印が変わって君は黒の刻印になるかもしれないよ。無色の君は、男に抱かれれば、その色に染まるんだ。きっと、刻印も変わる。」


 レイトは、短剣を水音の顔の近くの地面に突き刺した。水音はすぐ近くにあるあの短剣が恐ろしく、そして、今の彼が何をしようとしているのか、予想がつかなく、ただ恐怖で体を震わせるしかできなかった。

 「そんなこと、あるはずないよ。レイト……止めて……。」
 「だめだったら、水音とシュリが湖に入って交換をお願いすればいい。嫌だなんて、言わせないよ。この間の薬もあるんだしね。」
 「お願い、やめて……。」
 「好きだよ、レイト。僕を変えてくれる唯一の人……。」


 ゆっとりとした視線で水音を見つめた後、レイトは水音にキスをして、そのままゆっくりと頭をゆっくりと下の方へと移動する。
 冷たく白い手が、水音の太ももをな撫でる。そのまま、スカートを捲り上げ足を持って、足の付け根にキスを落とした。


 「っっ………レィト………。」
 「泣かないで、酷いことをするわけじゃないんだ。僕の気持ちを受け止めて。」
 「いや………。」
 「水音……シュリを選ばないで。」



 水音は、目をギュッと閉じこれから起こることを耐えようとした。
 すると、先ほどエニシと戦っていたシュリの必死の顔が浮かんだ。彼は、大変な思いをして水音を逃がしてくれた。それなのに、自分は耐えるだけでいいのだろうか?
 私も戦わなくては行けない。

 そう強く思うと、水音は目を開けてレイトを見つめ、自分の精一杯の力で彼の体を押した。
 もちろん、彼は大人の男の人で、勝てるはずはなく、少しだけ体を浮かせただけだった。けれど、それだけで、よかった。

 水音はその隙に自分の横に刺さっていた短剣を抜き取り、レイトの顔に向けた。



< 97 / 113 >

この作品をシェア

pagetop