ふたりごと

わたしたちは中庭のいつもの場所に座った。

『ごめんね、授業、始まっちゃったよね…』

泣きながらそういうわたしに優しい顔で首を横に振る直人くん。

『美雨が悪い訳じゃないから。』

直人くんはそう言ってくれるけれど。

でも、でもね…

『直人くん、わたしのこと庇わなくていいんだよ。

だって彼女が言ったことは嘘じゃない。

わたしが親友の彼氏をとったっていうのは本当のことなの…』
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