小悪魔彼女×溺愛彼氏
一瞬で察知した私と莉子。
お互い視線を合わせて


「え!いいの!?ありがとう!!」


満面の笑みでお礼をした。
顔が赤く染まったのは
触れないであげよう。


じゃあ…と言って
空いていた一番前の席へと移った。


「ラッキーだったね。」
「私達にもまだファンがいたみたい。」


ニヤつく私達はここでようやく気付いた。


後ろで放たれている
黒いオーラに…。


恐る恐る振り返れば
もちろんお怒りの2人がいた。


「美桜?」「莉子?」


顔は不自然なくらい笑っているけど
完全に目の奥は笑っていない。


思わず一歩後ずさり。


「…どうする?逃げてみる?」


私は莉子の提案に乗った。


「せーの…」
< 235 / 306 >

この作品をシェア

pagetop