俺の「好き」は、キミ限定。
「……ミオ、あのときはごめん」
「え……?」
「すぐに追い掛けられなくて、本当にごめん。そのせいでミオが風邪を引いたって、たっちゃんから聞いた」
「たっちゃんから……?」
「うん。さっき、たっちゃんが俺の高校まで来たんだ。それで、たっちゃんに色々聞いた。雨の中、失くしたイヤリングを長時間探してくれたんだろ?」
改めて言葉にされると、冷たい雨に打たれた日のことを思い出して鼻の奥がツンと痛んだ。
咄嗟に首を左右に振る。
だって私は結局、ユウリくんに貰ったばかりのイヤリングを失くして、見つけることはできなかった。
「ごめんなさい、私……。せっかく、ユウリくんに貰ったのに……」
「……大丈夫だよ」
「え……?」
「これ……さっき、ここに来る途中で見つけたんだ。うちの学校の公園の近くの角に、転がってた」
差し出された手のひらを見ると、そこには見覚えのあるイヤリングが乗っていた。
それは間違いなく、あの日、ユウリくんがプレゼントしてくれたイヤリングだった。
ほんの少し泥で汚れてしまっているけれど、海のように綺麗なブルーのガラス石もしっかりとついている。
まさか見つかるとは思っていなくて……。
安堵と嬉しさで、思わず涙が溢れだした。