俺の「好き」は、キミ限定。
 


「ふぅ……」


高鳴る鼓動を落ち着かせるように胸に手を置き、息を吐く。

今日はこれから、ユウリくんとレッスンの続きを実践するのだ。

そのために急いで夕飯を食べたから、家族には何かあったのかと不思議がられてしまったけれど。


「え、と……」


机の上に置いてある恋愛指南書のページをめくってみる。

そうすればそこには、今日の実践内容が書かれていて、なんだか頬が熱くなった。


「会えない時間は、電話で距離を縮めよう……」


そのタイトルの横に書かれた例文には、【学校が違ったり、歳が違う先輩後輩の関係でも大丈夫! 会えない時間も大切にして、相手をドキドキさせちゃおう☆】なんて、愉快な言葉が綴られていた。


「う〜ん……」


それにしても相変わらず、あまり参考にならない例文だ。

確かにたっちゃんの言うとおり、そもそもこれで恋について知ろうというのが、おかしいな話なのかもしれない。

だけどそれも、今更だ。

今日はこれから、この内容に沿って、ユウリくんとテレビ電話をすることになっている。

 
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