もう一度だけ君に会いたい
あれは2年前のこと。

私がまだ元気で活発な少女だった時の話。
姉の優乃、私、萌乃と、妹の汐乃と、お父さんお母さんの5人家族は、近所の人からの評判は良く、おばさんやおじさんの前を通ると、挨拶をしてくれた。

お母さんは、看護師、お父さんは社長ということもあり、家族5人仲良く暮らしていた。

けれど、全てが平和じゃなかった。
元々酒癖の悪いお父さんは、ストレスを溜めると、酒とともにストレス発散。それでも発散できない場合は、私たちに暴力を振るうようになった。

まだ幼い汐乃は、泣いて、私と姉は怯える日々。お母さんは、痛みに耐えながら我慢している。もちろん、部屋は散々。

もう、限界だった。
足には酷い位のあざ。それを隠す日々。
ご飯はちゃんと食べてたけど、残すと殴られる。

それを引っ越してから虐待だということを知った。



あの男の子が教えてくれるまで、知らなかった。

それがかつての記憶。



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