ポーカーフェイスは私を守る。

言い過ぎた。

「…話がないんなら、とっととどっか行ってくれる?邪魔、YooTube早く帰って見たいんだけれど。」

「…」

「じゃあ行くわね。もう遅いし…うわ、真っ暗…どうしよ…怒られるかも…」

「わわわ!雨降ってるし!もうヤケクソだ!
しゃーない!このまま帰ってやるぅっ!」

「傘、貸してあげるよ。」

「あ、ありがと…」

「遅くなったのは俺のせいだし…」


「じ、じゃあ行くわね。借りさせてもらうわ。」

「明日には返せる?」

「うん、多分ね。私が忘れられなければね。」

「じゃ、俺も帰る。」

「…」
想像より多く雨が降っていたため、
私は表情が一瞬曇った気がした。でもすぐに傘をさして、ずぶぬれ覚悟で早歩きで帰った。

「ただいまー」
極寒の外にいた私だが、家に入り、
温かい部屋が私を包んだ。すごくすごく温かい…
南極から、沖縄に行った感じ…

「お帰り。寒かったでしょう。
今日はあなたが好きなシチューよ?手を洗って、早く食べなさい。早くしないと、冷めちゃうよ。」

「はーい」

「そうそう。今日お父さん飲み会で遅く帰るんだってー」

「うん、わかった。」

「あ、お風呂先に入る?」
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