工業高校のイケメン達に愛されて【下】



優介も上の空で、なんだか魂が抜けたようにいつもぼけーっとしていた。


なんでだ…?


全然わからねぇ。


もしかしてふたり、いい感じなのか?


恋愛に疎い俺は…よくわかんねぇけど。


ふたりは両想いで、小っ恥ずかしくて普段学校では会話できてなかったとか…そんな感じか?


そうなると告白をしたのは…文化祭のあの時になるんだろうか。


胸が締め付けられる思いだ。


中村…。


文化祭の準備のときから、結構俺は中村と一緒にいた気がする。


俺の隣でにこにこと笑って楽しそうに文化祭の準備を進める中村がたまらなくかわいくて。


放課後文化祭の買い出しに行ったときは、帰り際にいつも笑顔の中村が寂しそうな表情をするから俺は胸が痛くなった。


笑顔になってほしくて、もっと一緒にいたかった。


ふたりで食べた夕飯は特別にうまくて、また笑顔に戻ってくれた中村を見て俺は口元が綻んだ。


< 197 / 337 >

この作品をシェア

pagetop