工業高校のイケメン達に愛されて【下】



洗面所で手洗いうがいをして、リビングに向かい買ってきた食材を冷蔵庫に詰め込んだ。


リビングのソファに、緋奈が両手を膝に置いてちょこんと腰掛けている。


まだ、肩に力が入っているようだった。


…緊張しすぎだ。


まあ…付き合うことになってからここに来たのは初めてだし、無理もないか。


俺も…緊張してないって言ったら嘘になる。


食材を全て詰め込んで、俺もソファへ向かう。


そして、緋奈の隣へとゆっくり腰掛けた。


緋奈は視線を下に落としていて、緊張しているのがさっきよりさらに伝わってくる。



「…緋奈。」



そんな緊張を和らげたくて、緋奈の肩をそっと抱いて自分の方へ引き寄せた。



「ひゃっ…」



緋奈の髪のいい匂いが、俺の鼻をかすめた。


俺も、ドキドキしている。


間違いなく…緋奈に聞こえてるだろうな。


けど…この動悸は心地いいんだ。


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