終わりにした夫婦

···瑛里子


瑛里子・・・

日本で・・・・そんなことに
なっているとはしらず・・・

瑛里子は、羽叶がリサイタルに
連絡なしに来なかったことに
ショックを受けていた

実は....
彼女は、一つのかけをしていた。

このリサイタルで・・・

羽叶に自分が一番良く見える
席を用意して・・・

日本に帰国して
羽叶に会えなかったら‥‥‥
連絡しても羽叶か拒否したら‥‥‥
リサイタルに来てくれなかったら‥‥‥
二度と羽叶には関わらない
羽叶の事は忘れる
そう自分の中で決めていた。


瑛里子は
羽叶との別れを受け入れてから
不安定な症状が再発し
苦しい日々を送っていた。

そんな瑛里子から
片時も離れずに
瑛里子を見守り支えてくれた
男性がいた。

彼は瑛里子のマネージャーで
瑛里子より五歳若く
現在44才
イギリス人のアーロン
イギリスへ渡ってから
ずっと瑛里子の側にいる人物だ。

もちろん羽叶の事も知っていて
アーロンは羽叶の事を
  インテリと呼んでいた。

そのアーロン(Aaron)から
プロポーズをされていた。

瑛里子にとってアーロンは
大切で、ずっとそばにいてほしい
大切な存在であるが
やはり瑛里子の中には
いつまでも羽叶の存在があった。

そこで今回、日本でリサイタルの
話が上がった時に
この事を思い付いた。
アーロンには・・話していない。


だから、アーロンにも
日本のリサイタルが
終わったら返事をすると伝えていた。


イギリスに戻って
瑛里子は、全てをアーロンに話した。

「こんな私だけど良いの?」
と、訊ねた。
アーロンは、瑛里子を抱き締めて
「やっと、やっと、僕のものに
なってくれるんだね。
長かった。
何度も、諦めようと思った。
いくら僕が愛しても
瑛里子の中には、ずっとインテリが
いたから····
でも·····諦め····きれな···かった···
瑛里子、結婚して欲しい。」
涙を流しながら、言うアーロンに
瑛里子もアーロンを抱き締め返した。

アーロンも直ぐに瑛里子の気持ちが
インテリから離れるとは思っていない。

だけど、きっと
僕を愛してくれるように
頑張っていく。

アーロンは、瑛里子に渡すために
買っていた指輪を
瑛里子に嵌めて
その指輪に口づけをした。


  さよなら・・羽叶·····

      ·······さよ····なら······
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