心の中に奏でる、永遠の向日葵





どこからか、そんな声が聞こえてきた。
 

会場が、ざわつき始める。
 



ヤバい…。
 






隣を見ると、向日葵が唇を噛みながら震えている。
 



ダメだ。向日葵のトラウマが…。








俺は、膝の上に置いてあった向日葵の手を、優しく握りしめた。
 



「…大丈夫、向日葵。楽しく弾こう」
 



その瞬間、向日葵が、はっと顔を上げた。
 


そう、楽しく弾こう。
 

それが、君のモットーだろ?
 

俺は、指を鍵盤の上に置くと、力を入れて、指を動かし始めた







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