この瞳だけを見て




智哉と大内くんに両腕を掴まれ、2人はただならぬ張り詰めた雰囲気で睨み合いをしている。


なんでこうなったのか⁉︎


私もこの瞬間になってようやく気付いた鈍感者なのだが、あの〜実はというと…


付き合っているのを言っていなかったのが原因である。



自分から「付き合ってます」とか「彼氏います」なんて言いづらいし、マウント張ってるみたいでなんか嫌だったのもある。


というか気付かれてない?そもそも聞かれもしなかったので、自ら言う機会もなかった。


内緒で付き合ってる?(そういう訳じゃない)けど、なんとか凌いで彼氏の智哉とその場を抜け出して見事コンビニに行くことになった。


暗い道を手を繋いで歩くんだけど少し酔っている彼が手をふにふにしてきたり、


「さっきあいつと距離近かった」って拗ねたりしてきて祐奈は心臓がもたなかった。





< 94 / 136 >

この作品をシェア

pagetop