幼なじみはイケメン君

「消しゴム貸して。」
ちょっと鋭い目を、いたずらげに笑わせながらアイツが言って来た。


「はい。」

「サンキュ。」


忘れ物するなんて、めずらしいなぁ~。
めったに忘れ物なんてしないのに。



「よく聞いとけよ~!ここは大事だからな。」

先生の声で、自分の世界から社会の授業の世界へと帰る。


「コンコンッ。」
シャーペンの先っぽでアイツが私の机を叩いていた。


「消しゴムありがとう。」
その目には、満面の笑みが込められている。

はっ!

まさか……


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