溺愛総長様のお気に入り。
「そこ?」
煌さんは、目の前で首をかしげている。
そこ、とは?
「こっち」
煌さんは、自分の隣を手でたたく。
「はい?」
「こっち来いよ」
……まさか、隣に座れっていうの?
こんなに無駄にスペースあるのに、どうして隣に。
でも逆らえるわけもなくて、あたしはおずおずと反対側へ回り込み、
「失礼します」
煌さんの隣にちょこんと腰かけると、彼は満足そうに口元を緩めた。
けれど、その顔はすぐに陰りを見せる。