溺愛総長様のお気に入り。
隣のつばきから出てきたところの様。
「……っ」
気付けば、あたしはその部屋へ飛び込んでいた。
だって、あの中になんて入れないし、だからと言って、あのままあそこにもいれないし。
「おいっ、なにして……っ」
あたしの行動には、さすがの翔和さんも戸惑っている様子。
外へ出ようとしていたはずなのに、また中へ戻ってくる。
中には、南里くんとハクさんもいた。
「おっ、愛莉?どうした?」
しかもあたし、今、すごい顔してると思う。
でも、そんなの構わなかった。
あやめの方角を指さし、口にする。
「桜子ちゃんが……いて……」
「桜子……?ああ、南里が言ってた転入生か」
ハクさんが雑誌から顔をあげる。
「は?どーゆーこと?」
南里くんは眉をしかめた。