溺愛総長様のお気に入り。


あたしはそのまま保健室に運ばれた。


ベッドに寝かされて足に湿布を張られ。

頭を打っているかもしれないから、しばらく安静にしておいた方がいいと言われそのままでいたら、いつの間にか眠ってしまい……。




──次に目を開けた時には。



「……南里くん」



制服姿に着替えた南里くんが、パイプ椅子に座って心配そうにあたしをみていた。


あたしはまだジャージ姿だけど、制服や鞄もベッドの脇にある。



「これ、持って来てくれたの?」


「ああ」


「ありがとう。授業は?」


「んなのどーだっていいし」



南里くんはチャラいけど、そういうこところはブレてない。


仮にも、鳳凰のトップ4という位置にいながらきちんと授業に出ているのはひとりだけだし。



「……ごめんね」



なのに、さぼらせちゃって心苦しいよ。

< 315 / 401 >

この作品をシェア

pagetop