ツインテールの魔法

「あずちゃんは一つも悪くないよ。小説を読んで文句を言ったのも、説明する前に逃げたのもノン。だから、悪いのはノンだよ。あずちゃんは謝らなくていい」


夏音が気を使って言っているのではないことくらいわかっているのに、どうしてもその言葉を受け入れられなかった。


だからといって、これ以上謝ることも出来なかった。


「それに、吉永くんはノンを憎んで、ノンに嫌がらせをした。だから、悪かったのはノンなんだよ」


そうだとしても、そのきっかけを作ってしまったということで、全く悪くないとは思えなかった。


小豆が言葉に迷っていたら、夏音のクラスの衣装置き場に着いた。


「そうだ、あずちゃん!今からステージで謎解き大会するの!よかったら来てね!」


夏音は笑顔で言うと、小豆を置いて体育館に移動する。
紘が文化祭委員長と話していた。


「紘くん、おまたせ」


おさげで笑う夏音に、紘は胸をなでおろした。
今朝おさげにしてほしいと言われたときは不安でいっぱいだったが、その心配は無用だったらしい。


「これ、一応カンペ」
「ありがとう!」


夏音はクリップで留められた紙を受け取り、舞台に立った。


◆ ◇ ◆


こうして特に大きな事件もなく、ステージも喫茶店も大成功で幕を閉じた。
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