~異種魔法異能力挌闘SFファンタジー~ 帝竜 -ミカドノリュウ-
終章:これから……;From now on……
「そうだ、夕凪さん、ちょっとメルアド交換しない?」

「あ、俺ともしようよ」

「ちょ、わいが先やって」

「あぁ、ご、ごめんなさい! わたし、ケータイ持ってないんです……」

「え、あ、そうなの……?」

「いや、ごめん……」

 朝の教室。生徒はそれぞれが各々の話題で盛り上がり、騒然とした空気を生み出していた。
 その教室のほぼ真ん中。夕凪茜の席の周りには、彼女となんとか仲良くなろうとする男子生徒で埋まっていた。
 目的は一つ。なんとしても、“ヤツ”が来る前にことを済ませること。
 しかし、その目的は達成することが出来なかった。

 ガララ、という音と共に、教室のドアが開いた。瞬間的に、教室が静まり返る。

 教室に入ってきた少年は、まっすぐに茜の席に向かう。そして、少女の隣の席に勢いよく腰を下ろした。
 鞄を乱暴に机の上に投げ出し、茜の周りに集まっている男子生徒を一睨みして、一言。

「邪魔だ」

 その睨みと一言だけで、男子生徒は全員が全員、蜘蛛の子を散らすように逃げていった。
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