俺の女に触るな!



彼、トモとは幼馴染み。もう十何年もお家がお隣り。園児だった彼のパンツ履かせてあげたことがあるほどの長いお付き合い。



全裸の彼を家中追いかけ回したことさえある。



そのときの他愛もない社交辞令クラスの幼い会話。



「ヤヨはー、おれのおんななー」


「ほんと?うれしーなー。けど、呼び捨てかよ、おめー」



こんときはまだ小学生の私たち。無邪気な婚約だこと。



自慢じゃないが私ゃ美人では決してない。人によっては老け顔になっちゃうらしい。時に三十代だと予想する冒険者もいる。



それこそ解れたセーターに長めのスカート履いて髪を纏めてレジ袋ぶら下げて町を歩こうものなら呼び止められる言葉は「奥さーん」だもんなあ。



つまり、概ね年相応のトモと一緒に歩くと、場合によっては姉弟にさえ見てもらえないことが多々ある。



みっつしか違わねーんだぞ。さすがの私でも三歳で子供は産めない。



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