カタヲモイ、解消シマス。
「大ニュースです!」
そう叫びながら店に青葉がやってきたのは、二週間後のことだった。
「聞きたくない」
「なんで!?」
「どうせたいしたことじゃないから」
「理央ちゃん。なんと」
「付き合えたんですか?」マスターが、にこやかに問いかけた。
「ラインの交換できたんです!」
「しょぼ」
「ど、どこがですか!」
「二週間かけて、それかー。僕ならお互いのいいところくらい把握させられてるね」
「へ? お互いの……なんです……?」
「……なんでもない」
でも、驚いた。
連絡先を聞き出すのは簡単なようで難しい。
ましてや相手は王子だろ。
とりまきがいるだろうし、常に周りの目が気になるはずだ。
運良く話しかけることができても
なんなくかわされる。
ファンにプライベートなことを教えたがるだろうか?
「一応聞いてやろう。どうやって入手したのか」
「えっへん。教えてあげてもいいよ?」
上から目線とドヤ顔イラっとする。
「別に。どうでもいい。帰れよ」
「えー、聞いてよ」