お前なんか×××!!!
…仕事を終え、私は、携帯を取り出すと、友美にLINEした。

仁からは何の連絡もない。

時計を見れば、まだ、8時を過ぎた頃。

これなら、 一人で帰っても大丈夫。この時間なら、まばらでも人通りはあるはず。

私は、一応仁に帰ることをLINEすると、帰り支度をして、帰宅した。

…ほらね。

どこも、帰宅する人で一杯だ。

私は胸を撫で下ろし、最寄り駅を降りると、マンションに向かって歩き出す。

途中、仁からLINEと電話もあったようだったが、辺りが騒がしくて聞こえなかった。

…。

何も考えず帰宅する私をよそに、仁は慌てていた。

病院から、友美の自宅まで送り届けた所で、友美にLINEが入った。

「あ、楓から…ふふ、心配性だなあ。あ、寺崎ありがとね。もう、ここで、大丈夫だから」

「あぁ、無理はするなよ。…ぁ」
「どうしたの?」

「ごめん、ちょっと急ぐから」
「え、あ!」

私から、仁へ帰るLINE。

あれほど待ってろと言ってたのに、独りで帰宅するという楓に、ただならぬ不安がよぎった仁は、走って駅へむかった。

何度連絡しても楓は出ない。

「っ!!…クソッ」

仁は必死に走って、駅にたどり着くと、電車に飛び乗った。

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