お前なんか×××!!!
私を突然また抱き締めた。

一体どんな顔をしてるのか、抱き締められている私には分からない。

…どんな顔をしてるのか、気になるって?

それは、見ちゃった人までもが照れちゃうほどデレタ顔だと言うことは、秘密。

「仁、苦しい!お腹すいた!ご飯食べよ?用意するから」

「もう少しだけこのまま」

…。

例の顔が、元通りになると、ようやく仁は、私を離す。

「よし、メシにしよう」
「え、作ってくれるの?」

言い方が言い方だったもんだから、つい、そんな事を口にする。

「まさか、勿論お前の手料理だろ?」

その答えに、落胆しつつも、ノソノソとベッドから起き上がると、料理を始める、と。

突然横に来た仁が、てきぱきと料理を手伝う。

と言うより、ほぼ、仁が作ってしまった。

しかも。

「美味しい」
「…だろ?」

「私はてっきり料理は出来ないんだと思ってた」

「言ったら、しょっちゅう作らされそうだから黙ってた」

と、意地悪な笑みを浮かべた。

そんな事はさせるつもりはないけれど。


「時々は作ってね?」

といえば、仁はハイハイと軽い返事をした。
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