お前なんか×××!!!
「じゃあ、仕事戻るね」

私はそういうと、オフィスに向かって歩き出す。

「楓ちゃん」

三神君の呼び掛けに振り返る。

「寺崎の事、好きなのか?」

それに、小さく頷く。

「寺崎は、楓ちゃんの事、幼なじみ以上にみていないかもしれない。それでもいいの?」

その言葉に、胸が苦しくなった。

でも、私は満面の笑みを浮かべた。

「それでも、それでも…私は仁の傍にいるよ。例え、私を選ばなくても」

…自分で言って悲しくなった。

もし、仁が、私の傍を離れたら?

もし、仁が、私以外の女性を選んだら?

「おい、」
「…」

「おい、楓」
「…ぇ
ぁ、なに?」

何度か呼ばれて、ようやく我に戻った私は仁を見つめた。

「なんか、あったのか?」
「ううん。何もないよ?なんで?」

「…いや、考え事してるように見えたから」
「考え事なんて、ただボーッとしてただけ、ひゃっ!」

私の部屋でまったりしていた間に繰り広げられた会話なのだが、突然仁が私を抱き上げた。
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